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A1相当講習100時間とは?認定日本語教育機関の「就労のための課程」を解説

育成就労で求められるA1相当講習(100時間以上)の対象者、受講先、経過措置、受講証明書の保管までを一次情報で整理。認定日本語教育機関の「就労のための課程」の基準も紹介します。

就労開始前の日本語要件は、A1相当の試験に合格するか、相当する日本語講習を受講することで満たせます。この記事では、講習の中身を整理します。

結論:A1相当講習は「100時間以上」が原則

関係省令等の説明資料では、A1相当の試験に合格していない人は、認定日本語教育機関の「就労」課程でA1相当講習を100時間以上受講することが求められています。

パターン 対象 講習の扱い
A A1試験に未合格の人 認定日本語教育機関の「就労」課程で100時間以上
B A1試験に合格した人 必ずしも認定機関の講習である必要はない

入管庁のQ&Aでは、A1試験に合格済みなら講習は不要とされ、本国での一部受講も可能とされています。

経過措置:登録日本語教員による講習

関係省令等の説明資料には、経過措置として、登録日本語教員による講習が認められる旨が示されています。

  • 適用される講習:A1相当講習とA2目標講習の両方
  • 期間:運用要領では「当分の間」とされています(関係省令等の説明資料には、施行後5年をメドとする旨の記載があります)

運用要領(第4章)では、この経過措置を使うための要件が次のように示されています。

A1相当講習の要件(附則規則第3条第1項)

要件 内容
目標 A1相当(分野別運用方針がA1より高い水準を定めている場合は、その水準)
時間数 100時間以上
人数 登録日本語教員1人に対し、同時に受講する人が20人以下
実施方法 対面以外の場合は、インターネット環境を整え、オンラインで同時かつ双方向に行う

A2目標講習の要件(附則規則第3条第2項)

A2目標講習も、基本は認定日本語教育機関の「就労のための課程」で受けます。経過措置として登録日本語教員による講習も認められ、その場合は次の要件を満たす必要があります。

要件 内容
目標 A2相当(分野別運用方針がA2を超える水準を定める分野では、その水準)
時間数 100時間以上
人数 登録日本語教員1人に対し、同時に受講する人が20人以下
実施方法 対面以外の場合は、インターネット環境を整え、オンラインで同時かつ双方向に行う

つまり、A1もA2も、経過措置の要件は同じ形です。A1・A2のどちらの経過措置でも、日本語講習モデルカリキュラム(令和8年度中に公表予定)も参照して実施するよう求められています。

A2目標講習で実施者が押さえること

  • 受講機会の提供は義務:日本語の試験を受けさせるまでの間に、A2目標講習を受ける機会を提供します。
  • 費用と環境:本人が希望する場合の講習費用を負担し、オンライン環境など受講の環境を整えます。
  • 労働時間にする義務はない:受講時間を労働時間にすることは義務ではなく、必ずしも就労時間内に行わなくてもかまいません。なお、試験の受験は扱いが逆で、1年目の試験や目標の試験を受けさせることは実施者の義務のため、受験の時間は労働時間です。欠勤扱いや有給休暇での受験は認められず、受験料・交通費などは実施者または監理支援機関が負担します(4-57)。
  • 提供義務がない場合:A2相当の試験に合格している場合、または入国前・入国後講習で所定の講習をすでに終えている場合です。
  • 在留中の受講の時期:在留中は、入国後講習または就労期間中に受講機会を提供する必要があります。
  • 転籍した場合:転籍元で30時間の対象講習を終えているなら、転籍先では70時間以上を行います。
  • 意図的に機会を与えない場合:講習の機会を与えず、業務に従事させて試験の受験機会を与えるだけの場合などは、育成就労計画の認定の取消しの対象になるおそれがあります。

運用要領は、講習に係る事務手続(講習主体の選定・契約)や費用の負担、受講のための環境整備(オンライン環境など)を、必要な措置の例として挙げています。

認定日本語教育機関の「就労のための課程」とは

文部科学省の資料によると、就労のための課程は次の基準で認定されます。

  • B1以上を目標とする課程を1つ以上置く
  • 授業時数の基準は、A1が100時間以上、A2が200時間以上、B1が350時間以上
  • オンライン授業は、総授業時数の4分の3まで実施できる(なお運用要領では、就労のための課程を認定基準第23条の「特別の日本語教育課程」として行う場合、講習の全部を対面以外で受講できるとされています。4-43)
  • 教員は原則として登録日本語教員(経過措置は令和11年3月31日まで)
  • 申請は年2回、事前相談が必須

なお、ここに示した時数は課程の認定基準です。育成就労で求められるA1相当講習・A2目標講習はいずれも「100時間以上」です。

実施者がやること

運用要領(令和8年8月5日改正後)では、講習の証明と記録の保管について次のとおりとされています。

項目 内容
A1相当講習の受講完了 認定日本語教育機関からの受講証明書等を、入国前講習実施記録(単独型は参考様式第4-4号、監理型は第4-6号)または入国後講習実施記録(単独型は第4-5号、監理型は第4-7号)とあわせて、実施者または監理支援機関が保管
A2目標講習の受講完了 受講証明書等を、育成就労計画の履行状況に関する管理簿(参考様式第4-2号)とあわせて、実施者が保管
A2目標講習の受講予定 入国前・入国後の講習で行う場合は、省令様式第1号第3面等の実施(予定)表。就労期間中に行う場合は、参考様式第1-35号(目標とする日本語能力に係る講習等履修状況申告書)。いずれも育成就労計画の認定申請時に申告
試験を受験させた証明 受験票の写し等を、管理簿(参考様式第4-2号)とあわせて実施者が保管

A2目標講習の受講予定日と実際の受講日が異なっても、機構への報告は不要です。ただし、3年間の育成就労期間中に、A2目標講習の受講機会を与えなかった場合は、育成就労計画の認定の取消し等の対象となります。

認定申請では、申請書のほか、A2試験に合格している場合はその合格証等、参考様式第1-35号が確認の対象書類とされています。

講習の提供先を探すには

入管庁は「日本語教育機関の講習提供状況一覧表」(令和8年6月時点)を公開しています。認定機関の「就労のための課程」のみ、認定機関全体、告示機関の3種類があります。

確認できていない点・注意

  • 経過措置の要件は、運用要領 第4章で確認した内容です。条文上は「その他適当と認められる方法」とされていますが、運用要領では上の4つの要件として示されています。
  • 本記事は運用要領 第4章(4-40〜4-54ページ付近、出入国在留管理庁公表)の内容にもとづきます。改正により変わる可能性があるため、最新版をご確認ください。
  • 日本語講習のモデルカリキュラム(A1・A2)は「令和8年度中に公表予定」とされています。

一次情報(出典)

この記事は令和8年10月5日時点の情報にもとづきます。

本記事は公表資料の整理であり、個別の申請・認定・法的判断を示すものではありません。最新の内容は、各記事末尾の一次情報でご確認ください。